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最新記事【2006年05月08日】

□正式国名 :エスパーニャ王国 Reino de Espana
□首  都 :マドリード
□面 積 :約50万6千ku
□人 口 :約4269万人(2004年)
□元  首 :ホァン・カルロス一世(Juan・CarlosT)国王
□政 体 :議会君主制
□民族構成 :イベリア・ケルト系(カスティーリャ人、ガリシア人、アンダルシア人、カタルーニャ人、バスク人など)
□宗  教 :カトリックが圧倒的多数を占める
□言 語 :スペイン語 (地域によりバスク語、カタルーニャ語 ガリシア語)
□通 貨 :ユーロ(euro) 1ユーロ=約144円(2006年5月)
□G D P :1人当たり21210ドル(2004年)
□時 差 :−8時間(サマータイム時は−7時間)
□所要時間 :15〜18時間(成田−ヨーロッパ経由)
□電 話 :国番号34
□電 気 :220V 50Hz
□経済成長率:3.1%(2004年)
□物価上昇率:3.0%(2004年)
□在留邦人数:6019名(2004年10月)
□物 価 :日本の3/5強(目安)

スペインは、ヨーロッパ大陸南西部に位置するイベリア半島のほぼ大部分を占めており周りをポルトガルやフランス、アンドラなどと接している国で、フラメンコや闘牛などでもよく知られた国です。スペインの気候は、内陸部のマドリッドを中心とした中央部は昼夜で気温の差が大きく夏は暑く冬は寒いという寒暖のはっきりした大陸性気候、北部のカンタブリア海沿岸は雨は多いが夏は涼しく冬は暖かいという海洋性気候、東部から南部の地中海沿岸域は温暖で雨が少なく乾燥していて過ごしやすい地中海性気候、と地域によって差がある国です。また、古くから様々な民族と文化が交錯してきた歴史を持つ国で、地域によって多彩な個性を持ちそれぞれ文化や言語なども異なる多民族多文化国家です。

日本との関係は、16世紀半ばにフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸して以来、キリスト教の伝来や交易など約450年にわたる交流の歴史があり、また日本の皇室とスペイン王室の関係も良好で、古くから友好関係のある日本とはとても関係の深い国です。スペイン国内の治安に関しては、日本人が巻き込まれる凶悪な犯罪などはなく治安のいい国ですが、大都市では観光客を狙ったスリや詐欺が多く、身の回り品には気をつけることが大切です。地下鉄の中でのスリや街の雑踏での引ったくり、警官や空港の職員を装って貴重品を持ち去るケースなども多く、手荷物には常に気を配っておくことや、パスポートなどの貴重品を人前で容易に出さない、などの心構えが必要です。

生活面では、スペインはヨーロッパ域内では比較的物価が安く、特に生鮮食料品は新鮮なものが安価で入手することができますし、日常的に米を食べる習慣もありますから、日本人にとってはかなり馴染みやすい国です。温暖な地中海沿岸域の南部から東部には海外移住に適した都市も数多くあり、ヨーロッパ各国から多くの人々が集まることからインフラ面も充実しています。また比較的取得しやすい年金ビザの制度もあることから、日本人が移住やロングステイで暮らす上でも過ごしやすい滞在地となります。

スペインへの入国では、日本国籍のある人が観光目的でスペインを訪れる場合には、帰国日まで有効なパスポートを所持していれば、90日以内の滞在では事前にビザなどの取得は必要ありません。91日以上の滞在を希望する場合には、年金受給者の長期滞在ビザや学生ビザを事前に申請・取得しておくことが必要です。また、日本からEUのシェンゲン協定加盟国を経由してスペインへ行く場合には、乗り継ぎ空港でEU圏への入国審査があり、スペインでの入国審査は不要になります。

シェンゲン協定とは、ヨーロッパ内での出入国の簡素化を図ることを目的として1995年に発足したEU内での協定で、協定国以外(EU加盟国以外)から協定国に入国する場合には、最初に入国する協定国で入国手続きを行い、協定国から協定国以外の国に出国する場合には、最後に出発する協定国において出国手続きを行います。したがって、空港ではシェンゲン協定国間を移動する人と、協定国外から入国したり協定国外へ出国する人は、別々のターミナルを使用することになります。

2006年現在、シェンゲン協定には、EU加盟国であるスペイン、ポルトガル、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、デンマークノルウェー、アイスランドなどが加盟しています。

スペインでは、90日を超える滞在には滞在目的に適ったビザが必要で、日本人の海外ロングステイでは年金受給者を対象としたビザと学生ビザなどがあります。両ビザともに現地到着後は、現地警察に出向いて居住許可申請をすることが必要です。その際にもビザ申請時に提出した年金証明書や入学許可証などの書類が必要となります。

■年金受給者のビザ
年金など定期的な収入があり、スペインで滞在するに充分な資金の証明をすることができれば、非営利目的での居住ビザの申請をすることができます。取得条件は、毎月10万円を超える年金収入があることで、スペイン在日公館(大使館・領事館)に申請します。提出する公的な書類には必ずスペイン語の翻訳文を添付することが必要で、英文翻訳では受け付けてもらえません。申請後135日以内に大使館より通知が届き、通知より2ケ月以内にビザを受領する必要があります。またビザの発給日より90日以内に入国することが必要です。なお、滞在期間については現地警察の判断となります。

【必要書類】
@申請書
A健康診断書
B年金収入証明書
C無犯罪証明書
D滞在先の宿泊証明書
Eパスポート
F写真
G旅行保険などの保険契約書

■学生ビザ
年金証明などができない場合で、現地の語学学校などに就学することが決まっている場合には学生ビザの申請が可能です。学生ビザには180日までの短期と181日以上の長期があり、就学する学校の就学期間によって異なります。学生ビザを申請する際に一番大切なことは、就学先の教育機関からの入学許可証を提出することで、修学期間や授業時間数も明記されたものでなければなりません。また月額900ユーロ以上の滞在費と往復の費用をカバーする預金などの証明書も必要です。

【必要書類】
@申請書
A健康診断書
B預金証明書
C無犯罪証明書
D滞在先の宿泊証明書
E入学許可証
Fパスポート
G写真
H旅行保険などの保険契約書

日本からスペインへは直行便はなく、日本航空や全日空、ブリティッシュエアラインやエールフランス、ルフトハンザ、KLMオランダ航空など数多くの航空会社のヨーロッパ主要都市を経由する便または乗換便で向かうことになります。スペインでの到着空港はマドリッドかバルセロナで、日本からは経由地での時間を含めて約15〜18時間の所要時間になります。

国内での移動手段では空路が充実しており、マドリッドやバルセロナ、セビリヤ、マラガなどの国際空港には、イベリア航空やスパンエアー、エアーヨーロッパなどのスペインの航空会社の他に世界各国の航空会社が就航しています。国内各地の地方都市空港にはスペインの航空会社が多くの便を就航しており、大都市のマドリッドとバルセロナの間にはプエンテ・アエレオと呼ばれるシャトル便が毎時刻運行していて、予約の必要もなく空港に先着した順に搭乗することができます。

スペインでは鉄道網もとても充実しており、通称RENFEEと呼ばれるスペイン国鉄は首都のマドリッドを中心として放射線状に鉄道網が拡がっており、イベリア半島の全域を網羅しています。主な都市間を高速で結ぶAVEと呼ばれる高速鉄道のほか、特急のある長距離列車、国境を越える国際列車、各州や県内の移動に使われる中距離列車、そして大都市とその近郊を結ぶ近郊列車などがあります。

バスは、国境を超えてポルトガルやフランス、イタリア等、他国の大都市との間を結ぶユーロ・ラインなどの国際定期バスをはじめ、国内の都市間を結ぶアルサ、コンティネンタル・アウトなどのバス会社が数多くあり、長距離バス路線は全国各地を網羅しています。また、大都市と地方都市を結ぶ中距離バスの路線もきめ細かく充実しており、都市近郊に出かける際には鉄道よりもむしろ中距離バスのほうが便利な場合があります。

スペインの医療は先進国の標準的な医療レベルを持っており、大概の病気では安心してかかることができますが、日本人医師や日本語を話す医師は殆どいないため、英語かスペイン語での受診となります。したがって、持病がある場合などにはあらかじめ日本で診断書を作成の上、スペイン語に翻訳して持参しておくことが賢明でしょう。

スペインの医療システムは日本とは違い、地域の診療所で最初に受診するシステムとなります。地域の診療所でヘッドドクターの診察を受け、怪我や手術、精密検査などが必要な場合には、ヘッドドクターからの紹介で専門医院もしくは大病院を指定されることになります。緊急の場合には、もちろん救急病院へ直接行くことも可能ですし、その際にはスペイン赤十字の救急車を依頼することも可能です。

スペインでは、公立の医療機関が8割で残り2割が私立の医療機関という医療体制で、公立医療機関では、社会保障保険に加入していれば医療費は完全無料となり薬代もかなり割引になる制度が整っています。この医療制度はヨーロッパでも特に充実した制度で、違法移民であってもまず無料の医療が受けられるという利点もありますが、公立機関では受診受付時間が短くいつも混雑しているという欠点もあります。したがって海外ロングステイでスペインに滞在する場合には、比較的空いていて受診受付時間も長くきめ細かい診察制度を採っている私立医療機関を選択することが望ましいでしょう。

私立医療機関では、設備も充実しているところが多く医師の医療技術も総体的に高いですが、その分治療費も高くなり医療保険への加入は必須となります。日本で事前に海外旅行保険に加入しておくことが望ましいですが、65歳以下の場合には現地の民間医療保険への加入という選択もあり、事前によく調べておくことが大切です。

スペインでは、昔から軽食などを含め食事を1日5回に分けてとる文化があり、食べることに対してのこだわりは大きなものがあります。スペインでの一般的な食事のパターンの例を挙げますと、朝食はカフェ・コン・レチェと呼ばれるミルクたっぷりのコーヒーに軽いパンかチュ‐レと呼ばれる細長いドーナツなど、ランチ前の10〜11時頃にはオフィスから出て軽い飲物とボカディージョと呼ばれる生ハムやチーズを挟んだフランスパンのサンドイッチなどですませます。

お昼が一日のメインの食事となり、遅めの14時頃からじっくり2時間ほどをかけてワインとともにボリュームのあるコース料理をとります。都市部では昼休みが2時間ですが、地方ではそれ以上とるところもあります。夕食は仕事帰りの18〜19時頃からバルでタパスと呼ばれるおつまみとともにビールやワインで軽く一杯、お酒を飲まない場合にはカフェで甘いケーキやクッキーをとります。帰宅後には、21時から22時頃にスープやチョリソ、サラダなどの軽い軽食をとり一日の食事が終了です。

スペインのレストランで外食する際に気をつけておくことは、ランチの営業時間が13時頃から16時頃まで、ディナーは20時頃から24時頃までとなることで、その時間帯をはずした10時から14時頃、17時から21時頃が軽食などをとることができるカフェの主な営業時間となります。バルと呼ばれるカウンター・スタンド形式の食堂兼バーは、朝の7時頃から深夜まで通しで営業していることが多いようで、レストランやカフェが閉まっている時間でもバルでは食事することができますから安心です。また、ショッピングセンターなどにあるフードコートも休憩なしに通しで営業しています。

バルでのランチは日替わりメニューのあるところが多く、前菜にスープ、その後メインが2皿の後にコーヒーとデザートとなり、一般的なレストランで7〜8ユーロと比較的リーズナブルな価格です。メインの内容は、パスタ料理やパエリア、魚介類、肉料理などで、調理や味付けも日本人にも馴染みやすいものが多く、またタパスと呼ばれるおつまみも、定番のオリーブや生ハムなど以外にイカや魚のフライ、小エビのサラダ、など日本人の口に合うものも数多くあります。

こういったスペイン人流の食生活を、海外ロングステイの日本人がスペイン人に倣って続けていると、とても胃がもたなくなり胃腸薬なしではいられません。自炊で適度に日本食をとるか、知り合ったスペイン人と食卓を囲むときは別として、普段はできるだけ日本的な時間帯に体に合ったペースで3食の食事を規則的にとることが、スペインでの食生活を維持する秘訣です。

スペインは日本と同じ米食の文化を持っており、日本の「おじや」の語源となった「オジャ」という米を煮込んだスープ料理などもあり、また米と新鮮な魚介類や肉類などその土地の名産を使ったパエリアというスペインを代表する米料理があります。パエリアは、スペインでは週に一度は食卓に上がる料理で日本人にも概ね好評で、外食でもよく食べますから、美味しいと評判のレストランなどでは並んで待つ姿もよく見受けられます。また、都市部では日本食レストランも数多くあり、外食で日本食の心配をする必要はありません。

スペインでロングステイする場合には、都市の一般的なホテルやキッチン付きの長期滞在用ホテル、週単位で賃貸できる電化製品や家具が整ったアパートメントホテル、リゾートタイプのコンドミニアム、ピソ(PISO)と呼ばれるマンションタイプの賃貸集合住宅、一般家庭でのホームステイなど様々な選択が可能です。スペインでのホームステイは、主に大都市圏での語学就学などで利用されることが多く、スペイン語の語学習得を兼ねたシニアのロングステイにも適しており、週175ユーロくらいから滞在できます。

賃貸形式のコンドミニアムは、地方都市やリゾート地などに数多くあり、地方都市の郊外で海沿いにあるような場合、2ベッドルームで半月600ユーロ、月極めだと800ユーロくらいから借りることができます。アパートメントホテルは大都市ばかりではなくリゾート地にも多くあり、地域によって幅はありますが、2ベッドルームが1泊70〜200ユーロで利用できます。

マンション(ピソ)の場合には、最低6ヶ月からの契約となりますが、場合によっては3ヶ月程度での契約にも応じてくれることもあります。家賃は地域などにより異なりますが、ワンルームタイプだと450ユーロ前後、2ベッドルームで650ユーロくらいからあります。スペインのマンションは、一般的にパティオと呼ばれる吹き抜けが建物の中心にあり、外側に面した部屋とパティオに面した部屋とでは、明るさの違いをから外側のほうが賃貸料が高くなります。

ピソの賃貸物件を探すには、不動産のほかに日本食レストランでの貸室掲示などを見る方法もあります。日本語情報誌のOCSニュースにも賃貸情報が載っていますから、日本食レストランに行った折に手に入れて調べるのもひとつの方法です。また、賃貸情報を扱っているSegundamanoという新聞があり、それをチェックした上で連絡を取るという方法もありますが、スペイン語ができない場合には通訳や知人の助けを借りないと言葉の問題で難しいかもしれません。

滞在費は、滞在する地域によっても異なりますが、夫婦2人で郊外のコンドミニアムなどに滞在する場合には、住居費が光熱費と合わせて月に約1000ユーロ、食費は時々日本食などを外食した場合には約500ユーロ、交通費や趣味の遊行費、娯楽・生活雑費が500ユーロ、合計2000ユーロとなり約29万円でゆったりした生活ができます。

スペインの電圧は220Vで、プラグ形式も3穴で日本のプラグ形状とは異なりますから、日本で使っていた電化製品を持ち込む場合には、そのままでは使えず変圧用のコンバーターとプラグ変換アダプターを購入することになります。スペインでは電化製品は割高で日本の商品のほうが安くて性能も良いことから、長期滞在となる場合にはドライヤーなどの軽いものは日本からヨーロッパ仕様のものを持ち込む方が良いようです。

賃貸した住まいで電話を設置する場合には、スペインの電話会社テレフォニカの電話サービスに電話で申し込むことになり、およそ200ユーロで設置ができます。また、公衆電話は街中にあり、コイン式とテレフォンカード式があります。テレフォンカードはESTANCOと呼ばれるタバコ屋などで手軽に購入できます。

携帯電話は、スペインでは2005年には普及率が100%に達し、日本と同様に道行く人すべてが持っているような状況です。携帯電話には契約方式とプリベイトカードを購入する方式があり、契約式はスペインの居住許可書を所有する場合のみ購入することができますから、3ヶ月までの海外ロングステイで携帯電話を購入する場合にはプリベイト方式を購入することになります。携帯電話は街中にある携帯電話ショップで手軽に購入することができ、プリベイトカードは携帯電話ショップかESTANCOで購入することができます。

日本から持ち込んだノートパソコンなどで自宅からインターネットをするには、テレフォニカなどから出ているインターネット用のプリベイトカードを使い、ダイアルアップでの接続ができます。スペインでは、全世帯の4割以上にインターネット環境があり、ブロードバンドも全世帯の約2割に導入されており、ヨーロッパ第2位の普及率ですから、賃貸したアパートなどにもブロードバンドが導入されていることもあります。

スペインのテレビは、国営放送2局のほか全国ネットの民放や各州のローカル局などがあり、地域によって多少の違いはありますが、およそ10チャンネル程度の無料放送があります。放映される番組は、ドキュメンタリーなどは少なく映画やワイドショーなどが多い編成になっています。また、スペインで日本語放送を視聴するには、ヨーロッパの日本語衛星放送会社JSTVでNHKと民放を編成の上放送しており、デジタルアンテナとデコーダーを購入するか最寄のケーブル放送局で申し込むことで視聴できます。また、JSTVに加入するとラジオ日本も聴くことが可能になります。

新聞は、日本の朝日や読売、日本経済新聞などの衛星版が入手でき、住まいへの宅配もあります。その他、生活情報誌「あるば」やOCSニュースなどの日本語情報誌などが発行されており、ツーリストインフォメーションや日本食レストランなどで入手できます。また、新聞ではありませんが、スペインで発行されている新聞のニュースを和訳してインターネットのウェブ上で毎日更新しているスペインニュース・コムというサイトもあり、スペインや日本の情報を知ることができます。

バルセロナは、スペイン北東部の地中海沿岸に位置しているカタルーニャ州の州都であり、バルセロナ都市圏全体では約300万人の人口を有し、スペインではマドリードに次ぐスペイン第2の大都市で、またスペイン最大の港湾都市でもありカタルーニャ地方の商工業の中心地となっています。1992年に催されたバルセロナオリンピックの開催地であったことも良く知られており、歴史的な建築家であるアントニオ・ガウディの遺産や中世のゴシック建築など芸術や文化の都市としての魅力も大きな都市です。温暖な地中海性気候とともに自由で独立した文化を持つカタルーニャ人の奔放な気質なども、海外ロングステイヤーを魅きつける大きな要素となっており、多くの移住者やロングステイヤーが暮らす街でもあります。

日本からバルセロナへは、日本航空や全日空、ヨーロッパの各航空会社の便でロンドンやパリ、フランクフルトなどのヨーロッパ主要都市を経由することになり、所要時間は約15〜18時間です。バルセロナ空港から市内中心部へは約15キロ、エアポートバスやセルカニアスと呼ばれるスペイン国鉄、市バス、タクシーの交通機関があります。エアポートバスは本数も多く便利な乗り物ですが深夜は運行しておらず、その際には本数は少ないですが24時間運行している市バスが便利な交通手段となります。セルカニアスは空港を出て10分ほど歩く必要があり、少し不便かもしれません。市内中心部への所要時間はおよそ30分前後です。

市内の公共交通機関は充実しており、メトロと呼ばれる地下鉄が市内をくまなく網羅しており、回数券や定期券などの割引パスもあり便利な交通手段です。市バスも同様に市内には数多くの路線があり便利な乗り物ですが、車内案内などはなく乗りこなすには多少の時間が掛かります。同じバスでも観光客を対象としたBus・Turisticは市内の主要名所を巡回するバスで、多少高くなりますが使いやすく利便性の高い乗り物です。タクシーは流しを捕まえる方法が一般的で、初乗りが1.1ユーロと安く気軽に利用できます。鉄道では、バルセロナ市街と郊外を結ぶ住民の足となるカタルーニャ鉄道があり、モンセラットやコロニア・グエルなどへの観光にも便利な鉄道です。バルセロナと近郊の地方都市と結ぶのはセルカニアスで、カタルーニャ地方の都市間をネットワークで結んでいる鉄道で地方都市へ出向くには便利な交通機関です。その他、最近できた市内と郊外の住宅地を結ぶ、ヨーロッパで良く見かけるLRTタイプのトラム電車もあり、公共交通機関をうまく利用すればどこへでも手軽に行くことができます。

バルセロナは、スペイン国内のみならずヨーロッパ中から観光客が訪れる国際観光都市でもあり、市内には数多くのホテルが充実しており、週単位での利用ができるアパートメントホテルも様々なタイプがあります。またバルセロナには、オスタルと呼ばれるリーズナブルな小ホテルもおり、サグラダ・ファミリアの近くにある日本人経営のオスタル・ヒルでは洒落た内装と整った設備で1泊25ユーロ程度とかなりリーズナブルに利用できます。バルセロナは観光地ということもあり夏場のシーズンには軒並み価格が高騰するという欠点がありますが、シーズン前など少し時季をはずすと比較的リーズナブルな価格での利用ができます。

アパートメントホテルは市内中心部で1泊80ユーロから利用できます。マンションタイプのピソは基本的には6ヶ月の契約ですが、日本食レストランなどに掲示してある物件の中には1ヶ月単位で借りることのできるものもあり、短期の滞在でも探せば見つかることもあります。賃貸価格は2ベッドルームで月800ユーロくらいからあります。市内では山手方面が高級住宅地となっており、海に近いロケーションンの方が比較的リーズナブルな価格で利用できるようです。

バルセロナには、グロリアス駅近くのバルセロナ最大のショッピンセンターであるグロリアス・センターやカタルーニャ広場近くのエル・トリアングレ、地下鉄マリアクリスティーナに程近いエル・コルテ・イングレスやペドラルベスなど、市内にはデパートや巨大なショッピングセンターが集中しており、スーパーマーケットやカフェ、レストランなども入り買物するにはとても便利です。また、ヨーロッパの大都市と同様、バルセロナの郊外にも巨大なアウトレットモールがあり、衣料や日用品などの品揃えも豊富に揃います。ショッピングセンターやアウトレットにはフードコートやカフェなども入っていますが、せっかくバルセロナに滞在するのですから、簡単に済ませたい時などにもバルなどに出向くほうが充実した食事が楽しめるでしょう。日本食材は、ショッピングセンターにも一部の日本食材をおいているところがあり、日本食材店のトーキョー屋や東方商場という中華食材店で殆どのものが揃います。

バルセロナでは海の幸を使ったカタラン(カタルーニャ)料理のレストランが多くあり、鱈や小鰯を使ったマリネやサラダなど日本人の口に合うものが多くあり、パエリアとも相性のよい料理です。また、同じく海産物を使ったバスク地方の料理やヨーロッパでは珍しいタコを使ったガリシア料理などのレストランもあり、スペイン国内の各郷土料理を食べ比べてみることも気軽にできます。バルではコーヒー一杯での休息もできますし、きちんとしたコースの料理を取ることもできます。またタパスを摘みながらワインをちょっと一杯などという楽しみ方もでき、バルではスペインの食文化の奥深さを味わうことができます。また、日本食が恋しくなっても、バルセロナには100を超える日本食レストランがあり、地中海の新鮮な素材を使った寿司屋が特に多く、焼き鳥や居酒屋、一般的な和食レストランなど数多くの店があり、心配することはありません。

バルセロナでは市内の散策も楽しみで、ローマ時代の遺跡や中世のゴシック建築が立ち並ぶ地域、ガウディの遺したグエル公園や今なお未完成のサグラダ・ファミリア教会、などゆっくり時間をかけて探索したいものです。また市中心部の港まで続くランブランス通りでは、昔ながらの花屋や大道芸人、カフェやレストランが並び夜遅くまで多くの人でごった返し、雑踏を地元の人々に混じって散策するのもバルセロナでの楽しみです。

芸術鑑賞もバルセロナでの過ごし方のひとつで、、モンジュイックの丘にあるジョアン・ミロ財団美術館、モンカダ通りにある ピカソ美術館、ロマネスク様式美術のコレクションを所蔵している国立カタルーニャ美術館などミュージアム巡りにもじっくり時間をかけることができます。また、バルセロナにはスペイン語の語学学校が数多くあり、バルセロナ地方のカタルーニャ語が学べる学校に通いながらホームスティで過ごしているシニアの移住者やロングステイヤーもおり、語学学習にも適した滞在地です。

バルセロナは海に面した土地柄から、ビーチでの日光浴が盛んで地元のバルセロナ住民やヨーロッパ諸国からバカンスでやってきた客で各ビーチは賑わいます。セルカニアスに乗って郊外への旅を楽しめば、人気のないビーチも点在しており、ゆったりとした海外ロングステイならではの過ごし方ができます。また、ゴルフ場も車で1時間の距離にいくつかあり、およそ100ユーロくらいから楽しめますからゴルフ好きの海外ロングステイヤーにも満足できる滞在地です。

コスタ・デル・ソルは南スペインのアンダルシア地方、アルメリア県からカディス県ジブラルタルにいたるまでの、約300kmの地中海沿岸部に広がるリゾート地域です。マラガの街を中心として西はベナルマデナやフエンヒローラ、マルベージャなど、新しく開発された東側にはリンコン・デ・ラ・ビクトリアやベレスマラガへとリゾート地域は拡がっており、今もなおグラナダ方面へ開発の続く地域です。穏やかな地中海性気候に恵まれヨーロッパ中から年金ビザを取ったロングステイヤーが集まる地域としても有名で、日本の海外ロングステイ候補地としても人気の高い滞在地です。また、近年になりアフリカやロシアからの海外移住も増えており、国際色も豊かでスペインには珍しく英語のよく通じる滞在地です。

日本からコスタ・デル・ソルへは、ロンドンやパリ、フランクフルトなどヨーロッパの主要都市を経由する便でマラガ空港へ向かいます。スペインの国内都市からは、マドリッドやバルセロナなど各地の空港から多くの国内線が就航しています。マドリッドからだと約1時間、バルセロナからだと約1時間半の所要時間です。マラガ空港から市内中心部へは約10km、エアポートバス、セルカニアスの近郊鉄道、タクシーの交通機関があり、エアポートバスでは約20分、タクシーでは約15分、鉄道は空港を出て5分の空港駅から約10分の所要時間です。また、国内の都市からはセルカニアスの長距離鉄道でも向かうことができ、マドリッドからだとマラガ中央駅まで約4時間半、バルセロナからは約12時間の所要時間です。

市内の交通の公共交通の中心はバスで、中央バスステーションを中心として市内をほぼカバーしており、近郊への中距離バスも数多くの路線があります。また、Malaga・Tourという観光パスを利用して24時間の乗り降りが自由にできるマラガセントロという観光バスもあります。トレモリノスやベナルマデーナ、フエンヒローラなどのリゾート地へはセルカニアスの近郊列車の路線もあり、バスとの共通チケットや乗換カードの利用ができて利便性が高いです。タクシーは市内中心部を流しており、それを捕まえるのが一般的です。

コスタ・デル・ソルでの滞在は、リゾート地らしく海岸地区には数多くのリゾートホテルが並び、フェンヒローラやマルベージャなどのリゾート地ではビレッジホテルとも呼ばれるアパートメントホテルが多くあり、1泊50から100ユーロくらいで利用できます。マラガ近郊の一般家庭でのホームステイも可能で、週200ユーロくらいからあります。また、リゾート用の賃貸コンドミニアムも数多くあり、アパートメントホテルと同様の条件で利用できます。賃貸のマンションタイプのピソならマラガ市内で探すことになり、2ベッドルームで月800ユーロ前後で借りることができますが、夏のシーズンだけ借りるとなると5割から10割増になる場合が多いようです。またマラガ市内から程近いトレモリノスにはラ・ルナ・ブランカという日本人経営のホテルがあり、キッチン付きで1泊90ユーロから利用できます。

コスタ・デル・ソルの中心となるマラガは大きな街で、街中にはエル・コルテ・イングレスなどのデパートやロサレダショッピングセンターなどの大きなショッピングモール、スーパーマーケットなどが数多くあります。また、マルベージャも大型のショッピングセンターや映画館などが揃う近代的な街で、そのほかのリゾート地にもショッピングセンターやスーパーマーケットなどがあり、昔からある市場では新鮮な野菜や魚介類が手に入りますから日常の買物には困ることはありません。日本食材はマドリッドにあるトーキョー屋本店の宅配サービスを利用するか、マラガにあるエスニック食材店の東方超市で入手することができますし、日本米はイタリア産が各スーパーマーケットなどで手軽に手に入ります。

コスタ・デル・ソルでは、アンダルシア地方の特産であるオリーブを多用した料理が多く、ガスパッチョという冷たいスープなどもアンダルシア地方の料理で、レストランなどではよく出てきます。コスタ・デ・ソルは海岸地域ということもあり、レストランやバルでも魚介類を中心としたシーフード料理が多く、日本人の口に合うものが多いようです。トレモリノスの海岸一帯には海の家タイプのチリンギートという庶民的な食堂が立ち並び、鰯の串焼などの新鮮な魚介類が味わえますし、その先のカリウエラという漁村はシーフードレストランの集合群となっており、その日とれた魚のフライ盛り合わせなどが手軽に味わえます。また、コスタ・デル・ソルでは各国からの海外移住やロングステイで滞在する人々が多いことから、ヨーロッパをはじめ中華やタイなどの様々なエスニックレストランも数多く揃っています。日本食レストランも、マラガやマルベージャ、トリモリノスなどに数軒あります。

コスタ・デル・ソルは海岸リゾート地でマリンスポーツはあらゆるものが揃っており、シュノーケリングやダイビング、セイリングなどのスクールも充実しておりますから、初めて挑戦するシニアにも安心して体験することができます。美しい海岸線が続く静かなビーチも数多くあり、何もせずにのんびりくつろいでビーチ沿いのチリンギートを冷やかすというのもロングステイならではの楽しみでしょう。また、コスタ・デル・ソルは別名コスタ・デル・ゴルフとも呼ばれ、近郊に約50のゴルフ場が集まっており、手軽なところでは60ユーロから楽しむことができます。

小旅行では、アンダルシアの白壁の街並みが続くネルハなど近郊の街巡りをしてアンダルシアの文化に触れるのもいいですし、少し遠出をすればフラメンコと闘牛の有名な美しい州都のセビリアなどにも手軽に行くことができ、スペインの歴史や文化を身近に体験することができます。

マラガは、巨匠ピカソの生誕の地としても知られ、ピカソの生家はギャラリーとして今も保存されており、最近ではピカソ美術館もオープンしましたから、マラガセントロに乗って生鮮市場やアルカサバ、ピカソの生家、近代美術館、ピカソ美術館を手軽にまわるのもひとつも方法です。マラガは語学学校の多い都市としても知られ、多くの移住者やロングステイヤーがスペイン語を学んでおり、他にもフラメンコダンスのレッスンやスペイン料理の教室など、外国人向けにプログラムされたものがありますから、日本人のロングステイヤーにとっても学びやすい環境です。

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