収支に見合うプランニング
海外移住やロングステイを計画する上では、日本での生活費と海外でのロングステイに費やす費用のバランスを考えていくことが一番大切なことです。年金収入以外の不労所得などは想定から外し、年金のみを生活のベースとしてみていきますと、2005年現在での夫婦の平均的な公的年金受給額は23万円強となっており、今後はその金額を下回ることも考えられます。
その年金の年間トータル金額を、日本での生活費、海外への渡航費用や滞在費、そして渡航中の日本での固定費などにバランスよく配分し計画していくことが、ロングステイを成功させる上では最も大切なことになります。現地に滞在中であっても、日本で賃貸住宅に住んでいる場合には、その家賃や光熱費などの公共料金が固定費として掛かってきます。
また、日本で住んでいる住居が持ち家であれば、長期のロングステイの場合には、それを貸し出すことにより家賃収入が見込める場合もあります。日本での生活費と現地での生活費は年金から費やし、渡航費用や現地での小旅行費用などは貯蓄から賄う、というプランニングの選択もひとつの方法です。いずれにしても、ロングステイは決して無理な計画をするものではなく、その期間や滞在先の選定に際しても、収支を考えながらバランスの取れたプランニングをしていくことが大切です。
年金での暮らしに余裕を見出す手法としてもロングステイが注目されていますが、経済的な面からだけで物価の安いところを選択すれば、それに見合う危機管理のコストも掛かってくるのだということも認識した上で、無理のない計画を立てていくことが必要です。